讃婆

馴れない集団生活にオタオタしている内に歳月は容赦なく流れ三度目のお盆が巡ってきまし
た。神道の家に育った私は仏事に暗く仏前で拍手を打ちそうになったり冷汗の連続でしたがさすがに三回目ともなるとお盆の行事も余裕を持って参加出来る様になりました。
祭壇が玄関前と今年の物故者の為に集会室と二箇所に設けられ入居者が思い思いにお参りしています。13日は玄関前の祭壇で亡き人の来る道を照らすかのように明々と迎え火を焚き、16日にはどうぞ迷わないようにお帰り下さい。と、それぞれの弔いたい人への思いを胸に送り火を燃やしました。さて15日は亡き人の供養の為か残された者への慰めか賑やかに盆踊りが始まりました。普段ユニホームに身を包んで忙しく走り回っているスタッフが浴衣姿で差す手引く手も艶やかに踊りの輪をつくれば、男性スタッフも負けじと大太鼓で拍子打ち、賑やかに音頭が始まりました。圧巻は孫に車椅子を押して貰っての盆踊り。90近い高齢ながら浴衣をきちんと着こなし帯も結んで踊りの輪の中に入っている姿はさすが船場のイトさん。かくて酷暑をものともせずお盆の行事は無事終了。