賛婆inカリフォルニアagain

*トラウマのカレー
遊びに行っては長期滞在をさせて貰う日系二世の友人は、大のカレー嫌い。滞在中の私の手料理を楽しみに待っている彼女なのにカレー粉の匂いのする物は一切ご法度。ところが同居することになった一人娘の夫君がバングラデッシュ出身。娘は彼の為に毎日せっせとカレー料理作り。或る日キッチンから美味しそうなカレーの匂いが漂い始めると、さっさと別棟の隠居所の方に逃げて行きました。後を追いかけて聞いた始めての打ち明け話。先の大戦中、西海岸に住んでいた日系人は防諜の観点から皆、内陸部の砂漠地帯の収容所に集められたそうです。そこでの食事が明けても暮れても羊肉の不味いカレー。終いにはカレーの匂いを嗅いだだけで吐き気を覚えるようになったそうです。ごもっとも。 これに付随した話がもうひとつ。大分以前にこの時収容されて家や家財奪われた自由に対して国が補償金を支払うということになったのですが、中々実現せず、彼女に言わせると「あの時若かった人々も今や高齢者でどんどん減って行く。政府は保障すべき人の少なくなるのを待っているんだろう」とぼやいていましたが、数年後無事補償金を獲得したそうです。