2014-01-01から1年間の記事一覧

新しき門出

起き抜けに廊下に出るとぷーんと懐かしい匂い。何事ならんと匂いの元をたどって1階まで降りて行くと玄関前の広場で餅つきの準備中。文理大の学生とおぼしき若い男が7〜8人餅つきの力水ならぬ力飯に、厨房からの差し入れをぱくついています。その内もち米が蒸…

新しき門出

年の瀬も押し詰まると餅つきだ、門飾りだ、御節料理だ、とスタッフも大忙しになるので1週間早いクリスマスパーテーをすることになりました。期日が発表されると入居者一同、パーテーに花を添えるべく練習に取り掛かりました。と言っても超の付く高齢者揃い。…

運動会

新しき門出

1階のエレベーターの横に賑々しいポスター。大運動会 の予告です。スポーツ大好き人間の私が見逃す筈がありません。早速フロントに飛んで行って、「運動会があるんですってね。走るのに杖を使っても良いんですか?」まさか!と笑われましたけど、こちらは興…

新しき門出

珍しく安定した日が続いた一日、ホームの企画で紅葉狩りを兼ねたドライブがありました。兎角、部屋に引き篭り勝ちの入居者をに少しでも外の空気に触れさせようと言う配慮からのようです。四六時中、外をほつっき回っているいる私ですがドライブ大好き。大喜…

新しき門出

ホームの近くに公園があります。こんな街中に?と目を疑うほどそれは広大なものです。萎れた姿を見るのが嫌、さりとて花の盛りを抜き捨てるにも忍びずで、部屋に一切生花を飾らない私は暇さえあれば、刈り残った草むらに隠れるようにひっそりと咲いている野…

新しき門出

ナップザックを肩にぶらぶらと慣例の散歩に出掛け宿舎の角を曲がると施設長とスタッフが右往左往走り回っていました。私の姿を見掛けると寄って来て何か話しかけとき携帯のベルが〜 「尋ね人ですか?」「今見つかったそうなので」と、慌しく帰って行きました…

新しき門出 敬老の日

1階のロビーに <敬老の日には特別メニューが出ます> と掲示してありました。入所以来、歯応えのない食事に辟易していた私は、親しくなった友達に「まさか小豆粥に豆腐の田楽なんてことはないだろうね」などと冗談を言っていましたが、当日出されたお弁当を…

新しき門出

平均寿命を超える頃から死後のあれこれが気になり初めエンディングノートとまではゆかないけど毎年正月に新しい遺言状を書いて居ました。所が愛の里を終の棲家と決めたとなるとさて、誰宛に遺言をしたものかと悩みフロントに相談に行くと有りました!! サヨ…

新しき門出

入居者の中に時折徘徊癖のある方が見受けられます。出入り口はロビーの真横フロントの斜向かい。癖のある人がフラフラとドアに近付くと、ロビーでお喋りを楽しんでいる誰かが気付いてすぐ後を追うし、スタッフも飛んで来て室内に誘います。食事の帰りでも車…

新しき門出

此処の生活にもやっと馴染み始めた頃初めてのお盆が巡って来ました。台風11号の接近中でもあり殆ど部屋に篭りっきりの夕暮れ、食事に降りて行くと、いかもお盆らしい精進料理が設えてありました。神道の家に育った私には始めての経験です。返りがけにふと集…

新しき門出 2  

此処、別府愛の里は市の略中央にありながら、緑豊かな別天地。福岡の炭鉱主、野見山氏の広大な別邸の敷地跡に建つ L字型5階の瀟洒な建物。東は海、南は山に面して絶好のロケーション。向かいは私学のキャンパス、其の隣は公園、一寸下れば別府一の大ホール…

新しき門出 1

早くに私の母である妻を亡くした父と親子で22年間べったり暮し、その父を看取ってから独り暮らしを続ける私の上を何時の間にか35年の歳月が流れて行きました。 奥さんにこそなれなかったけど、病弱な母に代ってから主婦暦70年のベテラン。何の痛痒も感…

思い付くまま

近頃自分もそうなって初めて気付いたのだけれど老人はどうして歩く時自分の足元しか見ないのだろう。そうしている友人に聞くと、躓いて転ばない用心の為だと言うが、それより、前から来た自転車や自動車にぶつかる方がダメージが大きいのでは?かく言う私も…