2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

北鮮を追われて     其の一

その頃私は両親と3人で北朝鮮の平壌に住んでいました。終戦も間近かな或る日班長さんが回覧板を持って慌しく駆け込んで≪ソ聯が侵攻して来たので満鉄の人達が避難してくるからお宅も一人受け入れて下さい≫との事。いよいよお出でなすったか。でも満州には百万…

北鮮を追われて  序

今は霧の彼方に消えようとする記憶ですが思い出すままに書き遺そうと思います。あの終戦時の混乱を外地で迎えた人々がどんな思いで死んで行き、又永らえて祖国の土を踏んだか。 もう証人となるのは私達の世代しか残されていないと思います。満蒙の奥地で人知…

{独り言}女学生のいたずら

若い人達にとっては歴史的出来事ほど遠い平和だった頃のお話。 毎冬一度は全校でスケート大会が催されていました。この日は狭い校内のリンクではなく漢江という府内第一の大河に大挙して出掛けます。勿論体育の先生以外も。この春内地から赴任したばかりの若…

帽子のトライアングル

頃は大正の末。久し振りで息子に逢う為に上京した祖母が帰るときのお話。 特急列車が有ったか無かったかも定かではありませんが、見送りに来た父も座席に座り込んで暫しの別れを惜しんで立ち去りました。程なく発車のベル(笛?)が鳴り響きました。ふと見る…

アメリカのバースデーパーテー

日系二世の友人の招きでアメリカ西海岸の丁度ロサンゼルスとサンフランシスコの中間にある漁港の町に三ヶ月近く滞在した時のお話。仮に友人の名前をメリーさんとしましょう或る日メリーさんの友達からバースデーパーテーをするから日本からの客人もどうぞと…

汝ますらおと言えども腕力を過信する勿れ

これも遥か昔、20kgの荷物を担いで山々をうろついていた頃のお話。若い男の子の様なピークハンターと違い大汗をかかない程度、息の上がらない程度のペースでゆっくり歩いて山の花々を愛で梢の囁きに耳を傾け、降る様な星空の下で眠る。至って気ままな山…

八分の一のDNA

大伯父はとんでもない反骨精神の持ち主。旧制の蔵前高等工業の一回 生。親族きってのインテリで私の名付け親。某年、某日、処もあろう に御堂筋で立ちションをして巡査に捕まった。言い訳に曰く「わしは 時と処を構わず、いぼり(尿)の出る病気を患ってをる…

[独り言」詐欺に引っ掛かる年寄り引っ掛ける年寄り

久し振りで街に出た。元来がアウトドアー派で野山は駆け巡っても市中に出る事は殆ど無い。おのぼりさんよろしくきょろきょろしながら歩いていると、いきなりコートの袖を引っ張られた。振り返ると見覚えの無い80半ばの老婦人が「奥さん相変わらずお元気で…

私はタカ派

この所米軍基地問題で世論が沸騰しているようですが、勿論独立国である日本に外国の軍事基地があると言う事は論外にしても果たして今の日本に国を守るだけの自衛力が有るのでしょうか?戦前の様な軍隊が必要だとは言いません。然し身を守るべき武力を失った…

これこそ本当に人は見かけによらない

これも某日通院の為満員に近いバスに乗った。勿論座席は満員。仕方なく杖を手首に掛け両手で確り吊革に掴まっていました。私の2〜3人先に30半ばの女の人がやはり立っていましたが花模様を付けた爪、カールしたまつげ何とも派手な装いです。ところが、バ…

人を見掛けで判断してはならない?か?

某日、旅先で昼食の為、とある駅前食堂に入ったと思し召せ。注文品が届くまで所在無く辺りを見回していると、隣のテーブルに、小学4年生位を頭にぞろっと4人の子供を引き連れた若い母親が陣取りました。今時珍しい子福者だと眺めると母親も今様なメークア…