アメリカのバースデーパーテー

日系二世の友人の招きでアメリカ西海岸の丁度ロサンゼルスとサンフランシスコの中間にある漁港の町に三ヶ月近く滞在した時のお話。
仮に友人の名前をメリーさんとしましょう
或る日メリーさんの友達からバースデーパーテーをするから日本からの客人もどうぞと言われ、はたと困った。
言葉は不自由、車はだめ、お祝いをどうしようとおろおろ相談をすると彼女は涼しい顔で「私の用意したバースデーカードに貴方の名前を書き加えておくから心配しないで」 かくて2人とも手ぶらで指定されたレストランへ。
10人近く集まったのが皆70歳以上。
口々にお祝いの言葉と共にカードを渡し終える頃レストランからのお祝いの蝋燭を一本だけ立てた小さなケーキと共に手の空いた従業員が集まって皆と一緒にハッピーバースデーの大合唱。
後は銘銘好きな料理を注文して楽しく会食ああ、ここの食事代がお祝い代わりなのだな、と思っていたら何と誕生日の本人までちゃんと自分の分を支払ったのには吃驚。
総てワリカンならぬ自前の誕生会。
私とメリーさん以外は総て白人。
ここの土地柄かアメリカ人の習慣か、合理的と言えば合理的私から見れば余りにも事務的。
でもとても楽しかった。こんな気取らない誕生会も良いもんだ。