北鮮を追われて  序

今は霧の彼方に消えようとする記憶ですが思い出すままに書き遺そうと思います。

あの終戦時の混乱を外地で迎えた人々がどんな思いで死んで行き、又永らえて祖国の土を

踏んだか。  もう証人となるのは私達の世代しか残されていないと思います。

満蒙の奥地で人知れず土に還つた方々に比べ私たちは未だ本土に近いだけ幸せだったと

言えましょう。朧な記憶を掘り起こし掘り起こしの手記なので続けて書く事は難しいと

思いますが思い出す度に綴って行きたいと思います。