新しき門出

先日開催された入居者食事懇談会の折の余談に「皆さんに少しでも季節を味わって頂こうと土筆を取ってきたのですが、はかま除りが大変で厨房だけでは手が足りず私も家に持ち帰って夜なべに家族を動員してる」とのことに、思わず「暇を持て余している入居者も大勢居る事だしボランティアを募集したら?」と言うと施設長も大喜びで、夕食後談話室に集まった10人余りの有志の前に運び込まれたのは一抱えもある大笊に山と積まれた土筆が二杯。一瞬、余りの量に息を呑んだものの、1人が手を伸ばすと我も吾もお喋りをしながらせっせと、はかまを取り始めました。所が野草に余り詳しくない人が採つたらしく、頭がすっかり開いてしまったものや、痩せて軸がストローのような物まで混じっていました。土筆の美味しさは未だ頭が固い緑色の時期のほろ苦さが身上。でも昔の味を少しでも思い出すよすがにでもと、せっせと摘んでくれた人達の厚意を思えば一本たりとも仇には出来ず剥き難いのを苦労しながら仕上げました。人海戦術が功を奏して1時間余りで土筆の山は、はかまだけを残して消え去りました。散会の折私の一番好きな土筆料理の きんぴら の話をした所後日美味しいきんぴらになって食膳に上ったので大感激。味を占めたので今度 山独活の花の蕾の天ぷらをリクエストしょうと今から舌なめずりをしています。人は生きる為に食う。私は食う為に生きる???