奇遇

薬が切れたので久し振りで病院を訪れた時の話です。割合混んでいるので大分時間が掛かりそうだとフト隣を見ると80過ぎに見えるお婆さんの膝に置いたバッグからボールペンの頭が覘いている。メモ道具を持ち歩く位の人なら話し相手として不足ないだろうと<暑いですねぇ。やはりお彼岸が来ないと駄目なんですかねー>から始まって体調の話から相手は私より1歳年下の93歳と言うことが判明。色々話す内お互いに朝鮮からの引き上げで何と女学校も同じ京城で相手は第一高女私は第二高女それからは懐かしい戦前のソウルの思い出に花が咲いて時のたつのを忘れました。その内お互いの順番がきたので名残を惜しみつつ再会を約して別れましたが何たる奇遇。