恐怖のDNA

私の名付け親である大伯父は親族きってのインテリで一族一の横紙破り。未だに一族の語り草になっている逸話があります。頃は明治の終わりか大正の初めの頃、酒に酔った大伯父が所も有ろうに御堂筋で立ちションをやらかし忽ち巡査に捕まった。オイ、コラ、の詰問に、かちんと、きた大伯父は「わしは長年時と所をかまわず、いぼり(尿)の出る病を患うとる。今もそれが起きたけん着物が濡れるのでめくっただけじゃ}こんな詭弁が通る筈もなく黒山の人だかりが出来るほど争った挙句警察に引っ張って行かれた。其の晩意気揚々と帰って来て言うことには「巡査の奴終いには、頼むヶ始末書書いてくれ と言いやがった」始末書を書いたか書かなかったかは伝わっていませんが、私の体内を駆け巡っている血液の中に残っているであろうこの反骨のDNAの何分の一かが或る日突然目覚めてホーム一のトラブルメーカーになるのを恐れながら不安な日々を送っています。