牧鶏犬ソーシー


サンフランシスコとロスアンゼルスの丁度中間に位置する漁師町モロベイに居を構える友人は家の周りだけで4エーカー<約4900坪>はあるという広い庭に30羽余りの鶏が放し飼いにしてあります。それが一羽の雄を中心に5〜6羽の雌でグループを作りそれぞれ気に入った所で餌を漁っています。世話をしている小学5年の男の子は日暮れともなると籠を片手にあっちのブッシュの中こちらの倒木のくぼみと生みっ放しの卵を集め歩きます。卵は逃げないけど、夜ともなると、いたちやコヨーテがうろつくというのに足の速い鶏を如何するのかと心配していると、居ました。立派な牧羊犬ならぬ牧鶏犬が。初めは子供の遊び相手にと大型のドイツシェパードを育てていたのが、毎夕、両手を広げて鶏を小屋に追い込んでいる子供の後に就いている間に自然に覚えたらしいとの事で人間抜きの一匹だけでせっせと鶏を小屋に追い込んでいます。鶏は絶対襲わないそうで、鶏も恐れる様子もなく雄を先頭にグループ毎に一列になって植え込みの間を小屋を目指します。人間は小屋の戸を閉めるだけ。何とお利口さん。なのに3ヶ月も滞在してあれほど努力した私に懐かなかったの?