勤勉な国民

      昔、日本人は勤勉な国民だと言われていた

何時も思うのですがアメリカ人は男女共に実に良く働きます。日本なら朝の修羅場である筈の午前8時にのんびりと、その日の買い物の相談電話。思わず「こんな時間に電話して迷惑じゃないの?」と聞くと「なに言ってるの。私の友達は皆百姓や漁師をリタイヤした人ばかり。早起きの習慣が身についているから、この時間ならもう家の用事は片付けて庭仕事に出る前のコーヒーでも飲んでいる時間よ」 言われてみれば数年前まで彼女も毎朝6時からエクササイズの為20キロ離れたカレッジのプールに通っていました。ここではサマータイムの終わりは11月に入ってから。未だ真っ暗な朝6時もう台所に赤々と灯をともすのは40半ばで急に2人の子持ちになった彼女の娘です。何しろ20分掛けて市中のスクールバスの停留所まで息子を送り届けなくてはならないので自分は朝ご飯抜きで飛び出して行きます。確かに電化製品は豊富に揃えて労力は省けますが決して楽をする為ではありません。こうしなければ家庭生活が成り立たないのです。昔の日本で台所や便所をぴかぴかにするのが主婦の誇りであったように、ガーデニングを如何に美しく保つかでそこの家の主婦の手腕が評価されるようです。四季のある我が国と違って衣類も家具も食器も一年中同じ物で済むので家の中も至ってシンプルですが圧倒的な相違は広さです。何しろ自走式の掃除機が当たり前。庭にしても市中の住宅地でも100坪以上はある庭に芝生を植え四季折々の花を育てるのは大変です。物価が安い為か家庭菜園はあまり見かけませんでした。学童が居れば週に2回はボランティアで手伝いに狩り出されます。その上仕事を持っている主婦の多い事。この家の娘にしてもシティーオーケストラのチェロ首席奏者、ユースシンフォニーの常任指揮者、個人レッスン、旅行会社、と朝早くから夜半まで飛び回っています。でも親同士お互いに助け合って上手く調整しているようです。男達の事は稿を改めて書くつもりですが現在のアメリカの女の人を見る限り 勤勉な日本人 と言うのは神話になりつつ有るような気がします。