有り難い公共の交通機関

  
カリフォルニア一州でも日本全土がすっぽり納まると言う広大な地域に存在する地方都市サンルイスオピスポ、大学が2校、米軍のキャンプ、飛行場、まであるというのに住民の足となる電車、バス、タクシー、を一度も見かけたことがありません。移動手段?勿論マイカー。運転免許の数だけ車があると言うお国柄。税金は減価償却型。古くなれば殆ど無税同様。車検も無し。従ってあちこちガムテープで補整したり果てはドアーをロープで縛った信じられないような車まで走った居ます。免許取得年齢に達しない子供を持った親達は大変。スクールバスは完備していますが一軒一軒の家の前に止まってくれる訳でもないので決められた場所へ決められた時間までに送らなくてはなりません。勿論出迎えも。友達の家に遊びに行くにも習い事の教室に行くにも全部親の送迎付き。ごみの集積場に行くのもカートで引っ張って行ける距離ではありません。現在満88歳を超えた私が運転をしているのさえ好奇の目で見られているのに彼の地では90歳を超えたドライバーも珍しくありません。尤も免許更新のテストで引っ掛かれば住まいを中心に半径30マイル以内とか40マイルまでとか色々制限は受けるようですが。車無しでは死んだも同然な国に比べて私達は何と有り難い国に生まれた事か。家を出て治安に何の心配もなくぶらぶら15分も歩けば必ずバスか電車に乗れる、タクシーも態々呼ばなくても少し待てば通り掛る.小学校低学年でもランドセルに通学定期をぶら下げて遠くの私学に通える。アメリカの親達が聞いたらひっくり返りそうな暮らしです。昔より治安が悪くなったとは言うものの <誰でも良いから殺したかった> と言うような人物に出くわさない限りは命の心配もなく、放射能汚染についても若い人達の活動を信じ、国を信じ、日日是好日で人生の幕を引きたいものです。