田舎の酒場

 
知人がバーを開業したというので一夕覗きにゆきました。造りは正面に酒壜をずらりと並べ前に年若い女バーテンダーが陣取り、壁際にカウンターとジュークボックス。中央に撞球台が2台。壁や天井はコンクリートの上にわざわざ錆びたトタンや古材を貼り付けて開拓時代のムードを再現。客層は殆どが中年の男。店内の女気といったらバーテンダー1人。それも愛嬌を振りまくわけでもなく、事務的に注文をこなすだけ。驚いたのは一品注文を受けとる度に代金を支払っています。そんなに飲み逃げが多いの?まるでファウストフードの店みたい。もっと驚いたのは片隅に ATM が置いてあった事。店主の話によれば最後の1ドルまで下ろして飲む人も居るそうです。それでも男同士、球を突いたり、グラス片手にお喋りをしたり、結構楽しそうです。女性の地位の高いこの国では男性にサービスするだけという職種が無いのかもしれません。ずぶの素人からこの仕事を始めた友人は何をするかというと、いいご機嫌に酔っ払った客を送り届ける事。この国でも飲酒運転には厳しい罰則が待っていますから。