オークの木陰のレッスン

      
何かの記念日らしく3日間お休みが続いた折Dの家族と共に泊りがけでデズニーランドに出掛けました。その帰途我が家まで40分と言う所でいきなり道端の公園に乗り入れると、何処やらに電話を掛けていました。長時間のドライブに退屈しきっていた子供達は遊具を目指して一目散。程なく隣に駐車した車から12〜3の女の子がチェロを抱えて降りて来ました。へぇー真昼間から野外演奏会でもやるの?と驚いている私を尻目にDは後部座席から折り畳みの椅子や譜面台を持ち出し大きなオークの木陰に並べると最後に大きなチェロを抱え出しました。何とこの公園でレッスンをしょうと言うことらしい。 女の子はお世辞にも上手とは言えないまでも、聞くに堪えない程でもなく初秋の風に吹かれながら楽しそうに弾いています。辺りに停まっている車も窓を開けて微笑みながらそれを眺めています。私は何となく母国の公園を思い浮かべてしまいました。もしこれが日本の市中の公園でもあれば忽ち野次馬の山。悪くすると警官に追い払われるかもしれません。文化の違いと言うか、国民性の違いと言うか万事おおらかな国です。かくて40分に余るレッスンを終え無事我が家に帰りました。後で聞くところによると今日が彼女のレッスン日で丁度近くを通るけど子供連れで自宅に寄っても子供が退屈するだろうと最初からこの予定だったとのことでした。