小さなコスモポリタン   

アメリカの友人宅を我が家同然に出入りしている韓国三世の親友があります。
両親ですら日本生まれの日本育ち。彼女に至っては韓国語はおろか祖国の土も満足に踏んだ事がないでしょう。戦前、父の転任で長らくソウルで育った私が色々彼の地の事情を教える始末。夫君はアメリカ人の公務員。その娘が現在小学5年生でこれが凄い。教育はアメリカ。父親との会話は勿論英悟。母親とはその時の気分次第で英悟だったり、日本語だったり。里帰りの折は日米の夏休み期間のずれを利用して <アメリカの夏休みは6月中に始まり9月からは新学年度となる> 日本の小学校に短期留学をさせたり自分でも一生懸命読み書きを教えたり。 私の別の友人のように、たまに孫を連れて里帰りしても孫は、英悟しか喋れず私達は英語はさっぱりで相手のしょうも無いとの嘆きを味わわない爺婆はさぞお喜びでしょう。彼女が遊びに来ている時はしばしば通訳を頼んで助かっています。好物がなんと納豆。栗色の髪に薄い茶色の目をした女の子がご飯に納豆を乗せ箸でかき混ぜながら美味しそうに食べる姿は
まさにコスモポリタン。その内パパの母国語であるスペイン語でもマスターすれば立派な世界人。こちらに来て考えるのはアメリカ人て人種は何なんだろう?。北欧系、メキシカン、インド系、韓国、ポルトガル、中国、インドネシア、アフリカ、日系、私の知人だけでもこれだけの母国を持ってアメリカ人として今の繁栄を築いてきたのです。知人の中のトップは何と五ヶ国語を操る牧場主です。たった一つの英語の通訳を小学生に頼る私が恥ずかしい。余談ですがこの小さなコスモポリタンの喋る言葉がバリバリの博多弁なのもご愛嬌。