餌に釣られた高校入試

近在一の俊足を買われてサッカークラブに入り、古参のクラブ員に混じって走り回っていた、又甥が何を思ったのか、再度の慰留を蹴飛ばしてギターに転向。休みの日には8時間に及ぶ猛練習。目前に迫った高校入試をどうするつもりかと聞くと「なまじ進学校に入ると勉強に時間をとられて好きなことも出来ない。僕はランクを落して楽な高校に行きクラブ活動もせず、一生懸命バイトをして金を溜めて買いたいギターがあるんだ」とヌカス。この子サッカーからお呼びが掛かるまでは映画監督になりたいと言っていたのに!。高校を出る頃になって「医者になりたい」なんて言い出しかねん脳天気。そこで婆の浅知恵。「そんな苦労をしなくてもばーばの希望する高校に入れたらそのギター買って上げるよ」 それからの3ヶ月間夜の目も眠らぬ猛勉強。先生が願書を出すのをためらった、と言っても分より少し背伸びした位の高校に奇跡的に合格
これから皆について行く大変さも知らずギター三昧の日々を送っています。お陰で婆は痛い出費を強いられました。こうして餌で釣られることがこの子の将来に吉とでるか?凶と出るか?でもやれば出来るという自信を得たことだけは確かです。