新しき門出

夕食が始まったばかりの頃施設長さんが笑顔の爽やかな若い女の子を
連れて入ってきました。紹介に曰く[早稲田大学文学部1年の学生さんで
自転車で日本一周中。北海道から下って来て、これから九州を経て沖縄
に向かわれるとの事なのでお連れしました」 客人は真っ白な歯を
見せてにっこり。ぺこんと頭を下げると空いている席に座って食事を始
めました。今日はおついたち。恒例のお赤飯の夕食。旅の前途を祝って
貰えるなんて何たる幸運な人。日本一周は私の若き日の夢。食事の
終わるのを待ち兼ねてロビーの椅子に引っ張り込んで歓談。大学を一年
休学してこの計画を実行する許可を貰う為に両親を説得するのに一年懸
かって、やっと今年の4月に出発できたとの事。此処に泊まるという
ことは入居者の縁辺の方かと思ったら、湯布院から別府への峠で偶然、
施設長さんにお会いして、お世話になることになった、との事。
私たちの新鮮な食材を求めて農村巡りをする施設長も可也のアウトドア
若い女の子が身に余る荷物を積んで自転車を立ち漕ぎで峠を登って
来る姿に惹かれたのかもしれません。
自分の孫よりはるかに若いこの子に入居者一同どんなに元気付けられた
事か。二泊して旅の疲れも癒されたのか三日目の朝、文化の日で門前に
掲げられた日の丸と一同のエールを背に遥かな沖縄を目指して、
力一杯ペダルを踏み始めました。頑張れ若きチャリダー〜!成功を祈る。