一番古い記憶

三歳半年下の弟がハンモックに寝かされて揺れていたのでもう87〜8年の昔になりますだろうか?其の頃私達一家は岩国の まりふ?に住んでいました。錦帯橋のある錦川に近い、多分農家の離れでも借りて居たんだと思います。家を一歩出れば無花果の茂みと畑だけ。他の建物の記憶が全然ありません。でも友達はいたらしく二人で、厳しく止められていた錦川に遊びに行ってびしょ濡れで帰り目から火の出るぐらい叱られたことだけは鮮明に覚えています。建築会社に勤め典型的な転勤族の父に率いられ東は東京から北は鮮満国境の新義州まで転々としましたが田園地帯に住んだのは後にも先にもこれが唯一回。今でも無花果を食べる度にあの川の流れと無花果の木の下で千切っては食べた無花果が思い出されます。