「ほら、又来たよ」未だ日の高い内に夕食を済ませロビーのソファーで寛いで
いたお仲間が一斉に視線を向けた先に小太りの若者がにこにこしながら頭を
下げて居ました。ここの入居者のお孫さんで、長年家族と賑やかに暮していた
のに急に1人になっては心細いだろうし足が不自由では食堂に降りるのも大
変だろうからと勤めが終わるとホームに足を運び、楽しく語らいながら一緒に
食事をして、時間の許す限り色々と世話をしているようです。
幼い頃どんなにお婆ちゃん子だったとしても成人してしまえば疎遠になるのが
世の常。お仲間の殆どに可愛がっている孫がいます。
でも此処まで尽くす孫は入居者の羨望の的です。